ハイテクノロジー推進研究所

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マルチメディア推進フォーラム PART987【オンライン限定】
「エネルギー × ICT」(その2)
~急増するICTの電力需要と、カーボンニュートラルかつレジリエントな電力確保を両立するエネルギー事業の在り方を探る~

メール申込用フォーマット PDFファイル(FAX申込書付き)
開催日2025年10月1日(水) 13時00分~16時50分
場所オンライン限定
受講料52,300円 (消費税込)

趣旨・論点

●エネルギーを巡る欧米の動き
 ・エネルギー分野のDX
 ・DC向けを中心とした再エネと新しい電力を探る動き
●エネルギー×ICT最新事情
 ・NTTグループの目指すスマートエネルギーソリューション
 ・SMRの最新動向と新たな原子力エネルギーの未来
 ・京都フュージョニアリングの核融合エネルギー実現に向けた取り組み

 地球上の人々が幸せな暮らしを継続できる「サステナブルな社会」の実現の重要性が益々増加しています。中でも、地球温暖化や資源の枯渇などは、人類の存亡を左右する課題となっています。
 前者の「地球温暖化」については、この影響により、アメリカ南部やフィリピン、バングラデシュなど多くの地域において熱帯低気圧が甚大な被害をもたらしたことも記憶に新しいところで、その対策としては温暖化ガスの排出削減が必須であり、排出削減を目指す国際枠組「パリ協定」では2050年時点で温暖化ガスの排出を実質ゼロとすることが目標設定され、これを受けてわが国でも2050年のカーボンニュートラルの実現を宣言しています。カーボンニュートラルを表明した国・地域・機関は2024年11月現在で195となっていますが、2060年以降の達成を目指す国も多く、さらに2026年の脱会を表明した国もあります。その中で日本は、温暖化ガスの主たる発生源とされる化石燃料によるエネルギー供給についてG7諸国最多の83%(2021年)の現状であり、また後者の資源枯渇にも大きく関係する、全エネルギー供給における自給率は13.3%となっています。
 このような中、こと情報通信分野はと言うと、AI、特に大規模モデル(LLM)の急速な成長が電力消費量の急増を招いています。同じく大量の電力消費を伴う暗号通貨(マイニング)などもあいまって、ICTの消費電力はほぼ世界の2%(2022年)と推定され、2026年にはさらに倍増されることも予想されており、この分野における低消費電力化に向けた取り組みは極めて重要となっています。

 ここに至ると、「ICTの発展とエネルギーは相容れない存在なのだろうか?」と言う疑問さえ浮かぶところでもありますが、一方でこの2つの融合を通じて、エネルギーの課題を解決しようとする「ワット・ビット連携」の取り組みも始まっています。例えば、AI・データセンタ(DC)による計算力等の拡大による産業活動の消費電力の効率化、デジタル制御などDXの推進はその一つでしょう。また、ICTを活用した「新たなクリーンエネルギーの開発」の取り組みも急となっています。
 電力とICTを積極的に融合することによる消費電力の効率化。具体的には、スマートメーターを基盤としたEMS(エネルギー・マネジメント・システム)を活用し、エネルギーを管理し、無駄な電力の消費を抑えることを目指す取り組みなどがこれにあたります。例えば、家に太陽光パネルと蓄電池、EVがあったとすれば、それらの電力の利用状況をスマートメーターで管理し、時間帯に応じて太陽光パネルからの電力を家庭で使ったり、EVに充電したり、余った電気を蓄電池に蓄えるなど最適化していくソリューションが考えられています。欧米でのDXの事例としては、大手電力会社に加えて、独立系発電施設などの多数のエネルギー源を適正に活用しようとする動きも急で、リアルタイムの需給管理や経済性を重視した(つまりより安い電力を選択する)送電グリッドへのオープンアクセス(発電指令)なども進められています。
 太陽光に加えて地域にある風力発電やバイオマスなどのさまざまな小規模の発電所と、電力会社や通信会社などが持つ蓄電池設備などを組み合わせて、地産地消を図る「地域グリッド」の取り組みにも力が注がれ始めています。また、これら再生可能エネルギーに加えて、小規模原子力発電所(SMR)をDCに併設し、送電損失を最小限に抑え、送電網の拡張を必要とせずに施設への安定した電力供給を行うような取り組みも米国などで始まっています。

 新たな電力源として少なからず期待される「再生可能エネルギー」については、欧米ではその推進システムとして、REC(Renewable Energy Certificate)やGO(Guarantee of Origin)が2000年頃には始まっており「再エネ」の評価制度が固まっていましたが、日本でも2024年からこれを取り入れてきています。一方、新たなクリーンエネルギーの開発についても大きな動きがあります。ひとつには先のSMRの例ですが、加えて2050年代の技術と思われていた核融合について、例えば、マイクロソフト等はスタートアップ企業との契約を通じて、2028年から送電を始める計画を持っています(最近、少し影を潜めていますが)。また日本でも、京都大学発のスタートアップが世界最先端の技術とエンジアリング技術により、この世界への参入を進めています。また、少々毛色は異なりますが、よりICTを活用した取り組みとして、テスラ等は「別目的で導入された発電源や蓄電池を系統で統合的に連携させ1つの発電所として運用管理する『仮想発電所』」と言うビジネスモデルの展開も進めようとしているとも聞きます(こちらも少し影が薄くなっている?)。

 「ICT自身の消費電力低減」の検討も進んでいます。その代表例としては、NTTのIOWN構想です。IOWNのAPN(All Photonics Network)は125倍の伝送容量、200分の1の遅延と並んで、100倍の電力効率の達成を目指しており、ICTの消費電力低減化にも大きな期待がかけられている。また、機器ベンダーやDCセンタ事業者なども様々に取り組んでいます。併せて、今後電力需要が大きく増えると予想されるDCについて、先のIOWNの超低遅延を活用し、地域や国をも跨って(その時に電力に余裕のある場所で)データ処理を行うなどの取り組みにも期待されています。

 本講演では、加速するICT技術の発展とエネルギー消費急増を前にして、如何に地球温暖化とエネルギーの安定確保と言う地球規模課題に対応していくかについて2回の講演会を通じて明らかにしていくこととし、「その1」では、国内外におけるエネルギーを巡る状況やICTを中心としたエネルギー消費動向などを概観するとともに、エネルギー事業サイドの取り組みとして、エネルギーのカーボンニュートラル化・エネルギーの分散化・インフラ融合等を通じてレジリエントな電力による豊かな地域の実現を目指す東京電力の「ワット・ビット連携」などの取り組みを紹介しました。
 今回の「その2」では、日米欧で進むDCに向けた再エネや次世代発電システムに注目し、その動向を概観するとともに、ICT事業サイドの動きとして、日本全体の1%の電力を消費するともいわれ、IOWNなどを通じた自らの変革を通じて日本全体の牽引役になってスマートエネルギーソリューションを展開していくことを目指すNTTグループの取り組み、欧米で進みつつあるSMRの最新動向、さらに次々世代の技術として期待される「核融合発電」について、世界最先端の技術を通じて雄となっている「京都フュージョニアリング」の取り組みについて調査し、「エネルギーとICTの融合」の価値や必要性、またその可能性について明らかにしていきます。

(座長)
東京大学 名誉教授  横 山 明 彦

スケジュール

各講演最後に質疑応答を設けてあります。

(基調講演)
「欧米で進むエネルギー分野のDX、DC向けを中心とした再エネと新しい電力を探る動き」
東京大学 名誉教授
横 山 明 彦 氏

「AI・データセンター時代のエネルギー戦略 ― NTTグループの目指すスマートエネルギーソリューション」
●急増するAI・データセンターの電力需要と、脱炭素の要請
●NTTグループ横断のGX推進プラットフォーム「GxInno」の取り組み
●「エネルギー×ICT」による再エネ活用とコスト最適化の可能性
●NTTアノードエナジーによるグリーン化の実践事例
●未来の大電源と今できるグリーン化をつなぐ戦略

NTTアノードエナジー株式会社
副社長執行役員 技術戦略部長
関  洋 介 氏

(休憩)

「SMR(Small Module Reactor)の最新動向とエネルギー総合工学研究所の取り組み」
●世界におけるSMRの最新動向
●DCとSMR
●新たな原子力エネルギーの未来(原子力電池など含む)

般財団法人 エネルギー総合工学研究所 原子力技術センター 
原子力グループ 部長
都 筑 和 泰 氏

(休憩)

「京都フュージョニアリングの核融合エネルギー実現に向けた取り組み」
●核融合発電の可能性
●京都フュージョニアリングの強みと核融合エネルギー実現に向けた取り組み」

京都フュージョニアリング株式会社 CEO
フュージョンエネルギー産業協議会 会長
京都大学名誉教授
小 西 哲 之 氏

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