ハイテクノロジー推進研究所

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マルチメディア推進フォーラム PART974【オンライン限定】
「自然界を超越するメタマテリアルの世界」
 ~電波を操り6Gのカバレッジを拡大~

メール申込用フォーマット PDFファイル(FAX申込書付き)
開催日2025年4月11日(金) 13時00分~17時00分
場所オンライン限定
受講料53,700円 (消費税込)

趣旨・論点

●メタマテリアルの原理と研究開発動向
●メタマテリアルの通信、医療、自動車などへの応用
●透明マントは実現できるか?

「負の屈折率」「透明マント」のキーワードで話題になっているメタマテリアルは、自然界には存在しない独自の特性を持つ人工素材で、光学、電磁波、音波などを操作し、光学技術、通信、センサー技術など、従来の素材では実現できなかった多くの領域での応用が期待されている。透明マントは、実現できるのであろうか? 本フォーラムでは、メタマテリアルの原理をやさしく解説した後、最新の研究開発動向を踏まえ、さまざまな応用分野について具体的な例を数多く取り上げて、現在実現できていること、および将来可能となる技術革新について議論したい。

【メタマテリアルの応用例】
・完全レンズ(スーパーレンズ)
 負の屈折率により光学レンズの限界200nmよりも小さいものを見ることが可能
・平面レンズ
 凹凸のないフラットで薄型のレンズを実現、スマホへの応用
・防音・遮音・制振材
 吸音パネル、遮音材として既に実用化
・医療機器への応用
 特定の場所に超音波を集中させて腫瘍を破壊する
 頭蓋骨を透過する超音波エコー
・放射冷却素材
 赤外線の波長を選択的に放射する放熱シート
・メタサーフェス反射板
 電波環境や人の分布変化に応じて柔軟に電波が通じにくいエリアをカバー (KDDI+ジャパンディスプレイ、ドコモ+AGC)
・自動車
 車のダッシュボードを光学迷彩で透明にして死角となる範囲を映像として投影し、安全性を高める (京セラ)
 自動車内に超音波ンサーを取り付けて概観を損なわずに自動運転に応用

メタマテリアルは、構成要素であるメタ原子の間隔を光の波長よりも小さな3次元構造に集積化する必要があるため技術的な難易度が高く、将来の技術と考えられてきたが、可視光の場合は約400?700nm以下で設計すればよく、また2次元構造のメタサーフェスの場合は、既存の半導体プロセスを流用できることから研究が活性化してきた。 メタマテリアルの2次元版であるメタサーフェスでは、フラットで薄型のレンズの実現を目指しており、キャノン、ニコンなどのカメラメーカも研究を進めている。眼鏡などを装着することなく立体像を観察できるメタホログラムへの応用も期待される。

メタマテリアルの歴史は古く、第2次世界大戦後、特定の電磁波に対する反射や吸収をコントロールする人工誘電体の開発に端を発し、1960年代後半、ロシアの物理学者ヴィクトル・ヴェセラゴによって理論が確立されたとされている。しかし、研究が盛んになったのは2000年代以降で、開発競争に火を付けたのは、2000年にイギリスの理論物理学者ジョン・ペンドリーらが発表した「もし屈折率が負の物質があれば、無限に小さな物を光で観察できる」と主張する論文である。 その論文は、それまでの光学の常識であった「可視光の波長よりも小さなものは可視光では見えない」という考えを覆すものだった。例えば、これまで可視光を使った観察では困難だった生きたままの細胞を原子・分子レベルで観察して生命科学の発展に寄与したり、可視光で線幅数nmの半導体回路を描いてコンピューターの性能を飛躍的に向上させたりするなど、さまざまな可能性が広がる。

メタ原子の形状やサイズ、配置を適切に設計することによって、光や音、電磁波などに対して自然界には存在しない振る舞いをさせることが可能になる。例えばメタマテリアルには、自然界には存在しない「負の屈折率」を備えさせることがでる。自然界に存在する物質は入射とは反対の方向に屈折光が進む正の屈折率を備えている。一方、負の屈折率を持たせたメタマテリアルでは、屈折光を"くの字"型に屈折させることが可能である。この性質を利用して光の透過や反射を制御することで、「透明マント」のように物体を見えなくするなど、自然界の物質では不可能な性質を持たせることがでる。

本フォーラムでは、今後応用分野が広がるメタマテリアルについて、最新の研究動向と現在の課題、将来への展望を概観し、自然界を超越した現象を実現する可能性について解説し、今後のビジネスへの適用について議論したい。

(座長-総合司会)
東京大学  名誉教授  齊 藤 忠 夫

スケジュール

各講演最後に質疑応答を設けてあります。

(基調講演)「メタマテリアルの可能性」
●メタマテリアルの原理をやさしく解説
●研究開発動向と応用分野
●メタマテリアルの社会実装

東京大学 名誉教授
齊 藤 忠 夫 氏

「メタマテリアルの原理と研究開発最前線」
●メタマテリアルの原理をやさしく解説
●研究開発動向と応用分野
●メタマテリアルの社会実装

東北大学大学院 工学研究科 ロボティクス専攻
メタマテリアル研究革新拠点 (Meta-RIC?)
教授
金 森 義 明 氏

「メタマテリアルのプロセス技術、成形加工を利用したナノ構造オプティクスの紹介」
●実用化を迎えるメタマテリアルのプロセス技術をやさしく解説
●印刷型光メタマテリアル、偏光素子と応用領域
●今後の研究開発動向と社会実装に向けて

産業技術総合研究所
製造技術研究部門 機能表面研究グループ
主任研究員
穂 苅 遼 平 氏

(休憩)

「メタマテリアルの5G/6G通信への応用 (1)」
●メタサーフェスによるカバレッジの拡大
● 電波の反射方向が変えられる液晶メタサーフェス反射板の開発実用化
● 6Gに向けた将来への展望

株式会社KDDI総合研究所 先端技術研究所
無線部門 電波・周波数グループ
コアリサーチャー
大 戸 琢 也 氏

「メタマテリアルの5G/6G通信への応用 (2)」
●メタサーフェスによるカバレッジの拡大
●透明メタサーフェスレンズによる窓の電波レンズ化
●電波環境を適応的・動的に制御するIREの実現
●IRE/SREに向けた将来への展望

株式会社NTTドコモ
R&Dイノベーション本部 6Gテック部
無線アクセス技術担当 担当部長
須 山  聡 氏

「メタマテリアルの医療・自動車などへの応用」
●超音波透過メタマテリアルについて
●医療・自動車などへの応用
●今後の研究開発に向けて

株式会社村田製作所 技術・事業開発本部
マテリアル技術センター 新規材料・プロセス開発部
シニアマネージャー
西 田 正 弥 氏

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